2011-01-01から1年間の記事一覧

遊びに出かけて、そのまま泊まってしまおうよ。。。

おもふどち 春の山べに うちむれて そこともいはぬ 旅寝してしが(古今集 素性法師) (現代語訳) 親しい仲間たちで春の山辺に遊びに行き、あてもなしに旅寝をしたい。 現代でも通じることじゃないかな。気の合った友達と遊びに出かけて、そのまま泊まって…

春雨に打たれる山吹の花。

春雨に にほへる色も あかなくに 香さへなつかし 山吹の花(古今集 読み人知らず) 春雨に濡れて、花の色もすばらしいのに、香りまでもただよって人を惹きつける山吹の花よ。

紫色の波のような藤の花。

わが宿に さける藤波 立ちかへり すぎかてにのみ 人の見るらむ(古今集 凡河内躬恒) 我家の庭に美しく咲いている藤の花。そよ風に吹かれると、まるで紫色の波が立っているようだ。 前を通る人は、そのまま通り過ぎることもできず、立ち止まって見るのだろう…

花をよく見ないと、藤の長いつるで絡まれてしまう。。

よそに見て 帰らむ人に 藤の花 はひまつはれよ 枝は折るともよそよそしく見てすぐに帰ろうとする人には、 藤の花よ、その長いつるで絡めてしまえ。枝を折られようとも。 つるで絡めてしまえって、ちょっとシュールな内容ですね。異性物が出てきて人間を襲うS…

風に吹かれ、谷川の水にのって流れくる桜の花びら。

きょうの天気は風と雨で荒れた感じでした。 吹く風と 谷の水とし なかりせば み山がくれの 花を見ましや(古今集 紀貫之) 花を吹き散らす風と、花びらを里まで運ぶ谷の水がなかったら、 深い山に咲く花を、どうして見ることができようか。 美しい歌ですけれ…

旅の一夜に見る夢は……

今夜は、印刷博物館で開かれた「空海からのおくりもの」展の内覧会・レセプションに参加しました。空海は、9世紀初頭、高野山を真言密教修行のために開きました。高野山には「山の正倉院」と言われるほど貴重な文化財があります。今回の展覧会は、高野山に伝…

はかない世の中と桜花。

うつせみの 世にも似たるか 花ざくら 咲くと見しまに かつ散りにけり(古今集 読み人知らず) はかない世の中に似たものだよ。 咲いたと思ったら、すぐに散ってしまう桜の花よ。 「かつ」は、すぐに、次々に、の意味です。桜を単に愛でるのではなく、散るさ…

桜がきれいだから、こんやはここで泊まってしまおう。

きょうは、山種美術館へ「ボストン美術館 浮世絵名品展」を見に行きました。浮世絵は人気があるのに加えて、きょうが会期終了前日ということで、会場は入場制限がされるほどの人出でした。出品作品はどれも保存状態が素晴らしく、色彩の鮮やかさに圧倒されま…

名残惜しまず全部散ってしまうのが、桜の素晴らしいところ。

残りなく 散るぞめでたき 桜花 ありて世の中 はての憂ければ(古今集 読み人知らず) 名残りなく散ってしまうのが、桜の素晴らしいところなのだ。 世の習わしとして、生きながらえた果て(最後)が、醜くなるのだから。

「散るな!」と言っても散ってしまうので・・・

まてといふに 散らでしとまる ものならば なにを桜に 思ひまさまし(古今集 読み人知らず) 散るのを待ってくれといって、待ってくれるものなら、 何よりも桜を愛するだろうに……。 歌の最後の「まし」は、「〜だろうに」という実現できないことを期待する意…

桜の花の色が変わってきていて、もうすぐ散りそうです。

きょうは午後、東電の清水社長の記者会見がありました。今後の作業などについて、具体的なことは何も言いませんでした。何のために会見を開いたのでしょうか? 春霞 たなびく山の 桜花 うつろはむとや 色かはりゆく(古今集 読み人知らず) 春霞がたなびく山…

見てくれる人が少なくて、かわいそうな桜。

きょうも、昼ごろ大きな余震がありました。夕方、電車に乗っていると、「揺れを感知した」ということで、緊急停車しました。このときは、幸い揺れは体感しませんでしたが……余震が止みません。 見る人も なき山里の 桜花 ほかの散りなむ のちぞ咲かまし(古今…

桜が散ったあと、きてくれたあなた方が恋しくなるのだと思う。

夕方、大きな余震がありました。長く揺れました。先週の余震よりも大きかったのではと思ったほどです。 わが宿の 花見がてらに くる人は 散りなむのちぞ 恋しかるべき(古今集 凡河内みつね) わが家の桜を見に来る人のことを、 花が散ったあとになって、き…

服を桜色に染めます。

さくら色に 衣は深く 染めて着む 花の散りなむ のちの形見に(古今集 紀有朋) わたしの服は、桜色に心をこめ色濃く染めて着ることにしよう。 桜が散ったあとの形見になるよう。 「深く」は、心をこめてと、色を濃くの掛詞です。

桜は女性の暗喩。

雨模様の日でした。 上野公園は、桜が満開です。 折りとらば 惜しげにもあるか 桜花 いざ宿かりて 散るまでは見む(古今集 読み人知らず) 折ってしまったら惜しい桜だ。 さあ、この家に宿をとって、散るまで見よう。 桜は女性の暗喩だと言われてます。「散…

折ってしまいたければ、きょうこそ折ってしまおう、桜。

きょうは、中学時代の友人たちと夜、食事しました。昔の友人にあうと、元気が出ます。 都内は桜が満開ですね。 散るぬれば 恋ふれどしるし なきものを 今日こそ桜 折らば折りてめ(古今集 読み人知らず) 散ってしまえば、いくら恋しくてもあとのまつり。 き…

きのうの歌への返しです。

夜、これまで一番大きな余震がありました。揺れが長く続きました。宮城では、震度6強。被災地、避難所、原発が心配です。地元千葉でも液状化している地域、影響はどうだったのでしょうか。 大きな余震が来ましたが、わが家では書棚にのせていた軽いものが落…

気が変わりやすいといわれるわたしだけど、ちゃんと待ってるんだからね。

自宅近くの運動場に、桜の木があります。種類によって、1分咲きだったり、満開だったり。平均すると、2分咲きといった感じです。ちなみに、下の写真は、この前の週末、都内で撮影した桜です。 あたなりと 名にこそたれて 桜花 年にまれなる 人もまちけり(古…

ひと月多いので、美しい桜も飽きられてしまうのが心配。。

さくら花 春くははれる 年だにも 人の心に あかれやはせぬ(古今集 伊勢) 今年の春は(3月が2回あって)いつもよりひと月多いから、 桜の花も飽きられてしまうだろう。 3月のあとに閏3月があった年に詠んだ歌です。

雪と見間違われる桜。

きのうの記事では桜の写真を入れてみました。ビジュアルがはいると、イメージが具体的になりますよね。きょうから写真を入れてみることにします。 みよし野の 山辺(やまべ)にさける 桜花 雪かとのみぞ あやまたれける(古今集 紀友則) み吉野の山に咲く桜…

白雲のような桜。

4月だというのに、きょうも肌寒い日でした。鶯谷の書道博物館でいま、「拓本とその流転」が開催されています。きょうはその展覧会の取材に行きました。博物館からの帰り道、鶯谷駅近くの神社のわきを通ったら、境内の桜が満開でした。 桜花 咲きにけらしな …

山霞を分け入って、桜を探し求める。

誰(たれ)しかも とめて折りつる 春霞 立ちかくすらむ 山のさくらを(古今集 紀貫之) 誰だろう。桜を探し求めて、折って持ってきたのは。 この山にあった桜は、きっと春の霞がたちこめて、隠されていたのだろう。 折った桜を題にして詠んだ歌です。霞が立…

桜は昔と同じだけれど、自分たちは老けてしまった。。

色も香も おなじ昔に さくらめど 年ふる人ぞ あらたまりける(古今集 紀友則) 色も香りも昔と同じように桜は咲いているけれど、 年を経た我々は、年寄りになったよ。 桜の花のもとで、年をとったことを嘆いて詠んだ歌と、詞書にあります。 第三句に「さくら…

柳の緑と桜の紅が織り成す錦のような都。

見わたせば 柳桜を こきまぜて 都ぞ春の 錦なりけり(古今集 素性法師) はるかに見わたせば、柳の緑と桜の紅とがまざっている。 この都こそ、春の錦なのだ。 花の盛りに、京の都を遠く見やって詠んだ歌です。柳の緑と桜の紅の色彩が、大変美しいです。

桜の美しさを、家にいる人とも共有したい。

桜の和歌の紹介を続けます。 見てのみや 人に語らむ さくら花 手ごとに折りて いへづとにせむ(古今集 素性法師) 見ただけで、この桜の様子を人に語ることができるだろうか。 めいめいが折って、家の人へのみやげとしよう。 その場にいない人と桜の美しさを…

いっしょに来なかった人たのために、桜の花を折ってもっていってあげよう。

日差しは暖かくなっていますが、厚手の上着がなかなか手放せません。 いしはしる 滝なくもがな 桜花 手折(たお)りてもこむ 見ぬひとのため(古今集 読み人知らず) 石の上を走って流れる急な流れがなくなってほしい。 流れの向こうに咲いている桜を折って…

わが娘は桜。見ているだけで悩みはなくなる。

ここ数日、天気はいいけれど、風が冷たい日が多いです。 年ふれば よはいは老いぬ しかはあれど 花をし見れば 物思いもなし(古今集 前太政大臣 藤原良房) 長い年月がたったので、歳もとった。 けれども、花瓶にさしてある桜の花のようなわが娘を見ると、す…

せっかく山桜を見にきたのに。。。

天気がよい1日でした。近くの浦安は、液状化現象が激しく、いまでもライフラインが復旧していないエリアがあります。きょうは、浦安に行き、被災の様子を取材しました。記事です。液状化に見舞われた街 浦安 - Media & Communication 山桜 わが見にくれば 春…

わたしは、桜の引き立て役。

きょうは、冷たい北風でした。三月下旬というのに、真冬並みの寒さです。 山高み 人もすさぬめ 桜花 いたくなわびそ 我(われ)見はやさむ(古今集 読み人知らず) 山の高いところに咲いたので、誰も心にとどめてくれない桜よ。そんなに悲観するなよ。私が引…

桜のつぼみもふくらんでいるようです。

桜のつぼみがふくらんだという声が聞こえてきました。 ことしより 春知りそむる 桜花 散るといふことは ならはざらなむ(古今集 紀貫之) 今年初めて春を知って花をつけた桜。 散ることは覚えないでおくれ。 「ならふ」は、「知る」の縁語です。